私には幸いなことに故郷がふたつあります。一つは生まれ故郷である長野県は駒ヶ根市。中央アルプスのふもとのとっても素朴な街。もう一つは青春時代を謳歌した秋田。どちらも愛すべき我が故郷です。長野の緑は彩度が高くて目に鮮やか、秋田の緑は濃度が高くて、冬にはほぼ黒。雪とのコントラストを生み出します。
毎年夏休みには秋田にバイクで帰省してますが、バイクに乗るようになって、これまで走ったことのないみちのくの道や、見たことのない素晴らしい風景など、新たな発見がたくさんあって、秋田を離れてはや10数年、住んでたときよりも増して、秋田が好きになりました。年に数えるほどの日数しか滞在できない訳ですが、その短い時間がとても愛おしく、秋田に帰ると、東京に戻る理由を探しています。そうして、いつもいつも、東京にUターンの道中は嫌で嫌でヘルメットの中でメソメソ泣いている。
でも夏が過ぎて冬がくれば、また雪景色の秋田に帰れると思うと、ちょっと救われたりして、まあ、それだけ私は田舎が好きだってことです。私ほど田園風景の似合うライダーはちょっといまいて。

さて、今回は一度東北道を仙台南でおり、学生時代に一度訪れたことのある、秋保温泉に一泊して秋田に向かうことにしました。今回の目的は、温泉と、ワインディングを楽しむこと。朝6時に自宅を出て、ノンストップで宇都宮まで走り、みちのく突入。東北道の「これよりみちのく」の表示はいつも胸を踊らせます。懸念していた渋滞もそれほどなく、お昼12時には仙台に到着しました。
秋保温泉は仙台の市街地からクルマで小1時間ほどにある、渓流沿いのこじんまりとした温泉街です。鳴子、飯坂と並ぶ、奥州三大名湯と言われています。今回は「旅館山菜荘」に一泊しました。
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翌日、朝5時に起きて朝風呂を浴び、朝食を済ませて8時に宿を出発、東北縦断の旅が始まります。まずはせっかく仙台に来たのだから、松島に寄ってみることに。しかし、先日まで仙台では七夕祭りをやっていたせいか、松島もすごい人出。一人になりたい私は奥松島を目指しました。景観は劣るが、誰もいなくて、穴場でした。
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松島をあとにしてからは太平洋側から日本海側まで東北を横断します。古川を経由して、いつもの帰省ルート、国道47号に乗る。今回はこけしで有名な鳴子温泉の名湯として名高い、「滝の湯」に入って行くことにしました。私の第六感、オンセンスが過剰な反応を示しています・・・。
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鳴子を過ぎて、いつもなら鬼首峠を走って国道13号に出て秋田へ向かうのですが、今回はライダーに人気のワインディング、鳥海ブルーラインを走るべく、47号をそのまま。新庄を経由、最上川とランデブーして退屈な345号に入り、遊佐を経由して国道7号へ。鳥海山はどんより雲がかかってました。雨よ降るな!
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鳥海ブルーラインから国道7号に再び合流。曇り気味の空ですが、日本海に陽が落ちていくのが見えます。日本海は同じ海でも大平洋とはやはり趣が違います。さて秋田市はずいぶん道も整備されて、市街地におりるタイミングを逃し、軽く道を間違えました。13号に出ると、ああ、帰って来たという感じです。
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翌日は快晴。本当はのんびりするつもりだったが、居ても立ってもいられず、男鹿半島へ。昨年は海岸線をぐるっと走ったので、今年は寒風山に登ることに。道中、この天気だし、いるかなーと思ってると、やはりいました。ばばへらアイス!今回の旅の食に関しては一番下にまとめてます。
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秋田の夕陽は、赤々として、大きいのです。こんなふうに。
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翌日、8月11日も快晴。今回は晴の日が多くて気分は最高。朝早起きして、本日は東北屈指のワインディング&温泉地帯、八幡平アスピーテラインを目指す。途中、田沢湖に立ち寄り、木漏れ日の中を走ります。なんだか鈴木英人さんのイラストのようなきらめく光にあふれていました。
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私のオンセンスが強烈に反応する国道341号を北上すると、八幡平アスピーテラインの入り口があります。岩手と秋田に跨がる一大火山群。厳しくも懐の深い、雄大な東北の自然が目の前に展開されていました。全長約40キロ、過ぎ去る風景が惜しいので、最高のワインディングだが攻める気がしない・・・。
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今回の旅で食べた旨いものと、番外編とも呼ぶべき、小さな、秋田の風景写真を紹介します。ダイエットに成功したからと言って、油断してはいけないと思いつつも、うめーもんがへっぺあるあぎだにおいては、すたごったどうだっていいで〜!今回のヒットは比内地鶏の卵ソフトクリーム!すったけコクがあっだや〜!
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私が秋田に帰るときはいつも雨だったのに、今年はほぼ快晴の日が続いており、みちのくの魅力を満喫できました。温泉も最高でした。なによりも、家族とゆっくりできたことがよかったです。私の双児の兄の息子(私にとっては甥っこ)が、少しづつ言葉を覚えはじめ、その仕種なんかが可愛くってしかたがない。可愛くってしかたがないので私はトイザラスでレゴブロックを買ってあげました。喜んで遊んでた。私もガンダ・・・省略。

とにかく、みちのくにはまだまだ知られざる魅力があります。私もあちこち行っているように見えますが、まだ黄金崎の不老不死温泉入ってない、青森は酸ヶ湯温泉の千人風呂に入ってない、十和田湖も、奥入瀬も、抱返もまだ行ってない、まだまだ行きたいところは尽きません。ああ、時間がもっとあれば!

ライダー仲間のみなさん、北海道もいいけれども、時間ができたらぜひ東北を走ってみてください。北海道の風景は、「ザ・北海道!」ってな感じでそれはそれで素晴らしいものですが、東北のそれは、「近いようで遠くにあるザ・日本」なのです。ああ、日本は本当にいい国だ!この緑を、この空気を、この水を、日本よ、世界に誇れ!

今回の総走行距離、約1,950キロ。
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